楽器のこと : 長雨が続いていますので...

生徒の皆さんへ

「楽器の調子が悪いんです」とおっしゃる生徒さんが続いているので、
ちょっと書いておこうかなと思います。

大雨が長期に渡っていますので、特にお話に出されていない方の楽器の調子も決して良くはない方がほとんどだと思います。

原因として楽器の「木」が湿気を含んでしまっているため、主にジャックレールが微妙に移動してしまっていることが多くの原因です。鍵盤側の不具合の場合も、やはり湿気で木がふくらんでしまっていることが原因です。
あちこちの微妙な変化が重なりあって、トラブルとして表面化していると考えてください。

応急処置をするのは悪くはないのですが、「あちこちの微妙な変化が重なりあって」いるので、すぐに触ってしまうのは必ずしも良いとも言えません。

まずは、お部屋の湿度が高すぎないか、確認してみてください。
何パーセントがベストか、ということではなく、
普段の湿度と上がりすぎていないか、確認してみてください。

調子良く弾けていた「普段の湿度(と温度)」完全に同じにする必要はありませんが、少し近づけてみることを試してみてください。
今の時期ですと、湿度がいつもより高い場合、除湿機をいきなりかけるよりも、エアコンの「ドライ」機能を試してみてください。調子良く弾けていた「普段の湿度(と温度)」完全に同じにならなくても、場合によりますと2-3パーセント下げるだけでも解決することもあります。

少し様子をみながら、応急処置をするようにしてください。現在のトラブルの大部分は、急いで応急処置をしてしまうと、また、「普段の湿度(と温度)」になった時、戻す作業をしなければならないようなトラブルだと思います。

見極めは難しいかもしれませんが、楽器だけを見ないで、空間環境をまずは確認してみてください。

from Seiko N.