7 juli 2008

こんなお話よくするんです


「へぇーチェンバロの奏者なんですかー」

「チェンバロって大きい楽器ですよね」
「持ち運ぶの大変でしょう?」

いずれも私は「はい」と答える。

チェンバロを御存知なのだと内心嬉しく思いながら、返事をする。

「チェンバロってね、オーケストラのしか聞いたことなくて、独奏って聞いたことないんですよね」

あーそうですか (^^) と答えながら、
おぉ、バロック音楽を生演奏で聴かれたことがあるんだなぁ~
とこれまた嬉しく思う。

「こう、沢山のチェンバロの人がオケで弾いてますでしょ。
 チェンバロって一人だと小さい音なんですか?」

は? へ? (?_?)

ここで、私は、相手が、チェンバロとチェロとを間違えてらっしゃることに、はじめて気付く。

音楽好きなんですよ(^^) とおっしゃって、お話が弾むことも多いが、
まだまだチェンバロという楽器を御存知の方は少ないと痛感する。

「チェンバロはね、弦は張ってありますけれども、鍵盤楽器なのですよ(^^)」

チェンバロ cembalo (独)は、フランス語ではクラヴサン Clavecin、
英語ではハープシコード Harpsichordと呼ぶ、
ピアノが産まれる前に盛んに用いられた鍵盤楽器である。
形状はピアノの前身なのだが、内部構造が違う。
ピアノは、弦をハンマーで打って音を出すのだが、チェンバロは弦を爪がはじいて音を出す。
鍵盤の先...これは楽器の中に入っているものだから、外からは見えないけれども、
先に繋がるものが、爪なんですよ。

私は説明が上手ではないので、大抵「?」な顔をされる。
一度見て頂けたら、疑問は一気に吹っ飛ぶと思うのですが f(^^;;

「どんな音なのですか?」

音の種類は、弦をはじいて音を出すので、ハープやギターやお琴...と似通っていますが、
これまた聴いて頂くのが一番良いかと... 良かったら一度、演奏会にお越しくださいな(^^)


勿論、宣伝目的など持たずにチェンバロのお話をするのだが、
最後に宣伝するしかないや...となることが多い...。
人の良い方や、本当に「チェンバロってどんな楽器なの?」と思われた方は、
社交辞令でなく、実際に演奏会に足を運んで下さる方も多い。
「チェンバロ お初」が私の演奏となる方がおられる...奏者として責任重大。
チェンバロ自体のイメージを良しとするか悪しとするかは、私の演奏次第...
チェンバロという楽器を一人でも多くの方に知って頂きたい...と思ったと同時に、
重大な責任を負ったのだと、私は思っている。
(2000)

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