Weblog:Tagebuch



 台風一過で爪痕凄まじ、ですが、皆様、大丈夫でしたでしょうか?

 さて、先日「貴婦人と一角獣」展を観に国際美術館へ参りました。これらのタペストリーは大好きです。学生時代に横浜に出掛けた折、元町のとある食器屋さんでこのタペストリーをモチーフにしたリモージュのカップとソーサーを見つけました。荷物具合やら懐具合の都合で「聴覚」の1モチーフの分だけを購入しました。お気に入りのもので劣化させたくなくて、なかなか使う勇気が出ずに、未だに数回しか使ったことがありません...。話が逸れてしまいましたが、いつかタペストリーのホンモノを見たいなぁと思っておりました。日本に、そして関西でも展示されるのは、この上なく嬉しいことで、何がなんでも観に行きたいと思っていたものでした。



 実際のタペストリーは、本当「よくこんなの作ったなぁ」と圧巻。印刷物では気付かないこと(当たり前ですけれども)、気付けない描かれている花々や動物たちもじっくり見ることが出来て、展覧会鑑賞に費やす時間が過去最長になってしまいました。<タペストリーの説明のための映像コーナーも非常に興味深いもので、大体このテのものは少し見たら途中で辞退するのですが、こちらもじっくり楽しみました。

 ところで、ロビーには展覧会来場記念撮影コーナー(?)がしっかりと設けられていました。そこに「『』貸します。」と... ^_^;

 はぁ? 大阪ノリの文句だなぁ...^_^; これって東京展にもあったのかな? と思い乍ら美術館を後にしました。あとで東京展に行った友人(関西出身)から「そんなの無かった」という情報をキャッチ。やはり也。更に「いいなぁ、大阪展、いいなぁ」と言う関西人... ^_^;

 昨年から今夏まで一年展覧会での演奏に関わってみて、同じ展示物でも各展各々趣向を凝らす、ということは知っていましたが、大阪ってこういう展覧会でも大阪色を拭えないのね ^_^; 私には、良いことなのか良くないのか、よく分からないですが...。


 さて、国際美術館のある界隈は大大阪建築の宝庫でもあります。大分老朽化や耐震上の問題で建替えられてしまいましたが、うまく近代建築部分を再現した建物もあります。有名どころのビル以外にも、大大阪建築はあちこちに残っています。カメラ必携のエリアです(が、iPhoneで撮影...^_^; )
 今回は道中にある船町ビルを撮影してみました(大阪市西区江戸堀)。1937年の建物です。
 こじんまりとしたビルほど、いつの間にか無くなってしまうので、見つけた際には写真におさめておこうと思っています。

 ところで、秋冬はソロのコンサートを続けて行うことになりました。
 11/23(土)「チェンバロの時間III」at B-tech Japan大阪スタジオ。プログラムはJ.S.バッハとG.フレスコバルディの二本立てです。
 12/21(土)中田聖子チェンバロリサイタル「J.S.バッハ『フランス組曲』全曲演奏会」 at アンリュウリコーダーギャラリー タケヤマホール。
 詳しくはこちらに掲載しております。
 お時間ございましたら、是非チェンバロの音色を聴きにいらしてください。皆様の御来場をお待ちしております。

八月も終わりに近づきました。暑さが若干和らいだものの、初秋も残暑厳しくなりそうですね(^_^;)
さて、先日、来月のお仕事の準備のために福岡を訪れました。
帰途につくため博多駅で新幹線を待っていると、向かいのホームに黄色い列車が!





ドクターイエロー!?




一見でドクターイエローだと信じる自信が無かったので、Twitterに投稿して尋ねたところ、「確かにドクターイエローだ」と教えて頂きました。(レスポンスくださった方、ありがとうございました!)

この黄色い列車が、新幹線の線路の安全調査をしてくれているのですねぇ...。
滅多に見られない列車であることもありますが、何だか有難いものを見たような気になりました(^^)

これからも新幹線、安全確保でお願いしますよっ!!


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昨月、名古屋に行った際に、本番会場から徒歩すぐのところにある大須というところに行ってきました。大須、愛知県の方にはきっとすぐ分かって頂けると思いますが、家具屋さんの街です。
大阪にも堀江というところに「たちばな通り」という家具屋さんが立ち並ぶ街がありました。子供の頃、本棚を探しに行った記憶があります。最近この通りの話を聞かないので、ちょこっとググるさんで検索してみると、今は「オレンジ通り」と言うようになって、インテリアショップが並ぶ街となっているようです。(橘=オレンジ ということらしい) インテリアショップか...近々見に行ってみたいな、と思いつつ(雑貨・インテリアを見るのは大好きです)、年月の経過を感じます。
名古屋の大須は、かつて見に行ったたちばな通りのような、本当に家具屋さんが立ち並ぶ、何だか私には懐かしいような気さえする所でした。
大須に行ったのは、愛知から大阪のコンサートに何度かいらしてくださったお客様から、古楽の愛好家さんが集まられるお店がそこにある、と伺ったからです。
行ってみると、なるほどなるほど、納得。小さなポジティヴオルガンから、本格的なオルガン、トラヴェルソにリコーダー、リュート、プサリテウムがお店のあちこちに置かれていました。



どれもこのお店豊田たんすさんのご店主が作られたものだそうです。よく見ると確かに、楽器を単に作成される愛好家さんの作にはなかなか見られない、家具屋さんならではだな、と思うような彫の装飾が施されています。
日々のメンテさえ不器用で苦戦し、チェンバロを演奏するしか出来ない私には敬服するような作ばかり(^^) 凄ーい、すごい!!


チェンバロは三作目なのだそうです。一作目ではないのですか!?と、これまた驚愕。
少し触らせて頂きましたが、一音だけで分かる「良い木使ってますね!」ということ。鳴りからそう感じました。お話を伺うと、やはり、家具屋さんだけあり、本当に良い木で作られている様子です。
愛好家さん作の楽器を幾つか知っていますが、このレベルのものにはお目にかかったことがありませんでした。



塗装せずに木目を生かそうとするのも、家具屋さんのご店主らしいなと思いました。



楽器に驚いてゆっくり拝見出来ませんでしたが、家具もアンティーク調の素晴らしいものが沢山ありました。
こういうお店って面白いと思います。ご店主と愛好家さんと、古楽をこれからもどうか愛していって頂きたいです!!


 7/20にバロック・ヴァイオリンの河内知子さんとのコンサートシリーズ「記憶の彼方からの響き Vol.3」を伊丹アイフォニックホール小ホールにて、無事に開催することが出来ました。暑い中をお越しくださった皆様、ありがとうございました!!
 今回は、ヴィオラ・ダ・ガンバの中西歩さんにも加わって頂いて、独奏あり(テレマンの「無伴奏ヴァイオリンのためのファンタジー」、そして私のチェンバロ・ソロでバッハの「半音階的幻想曲とフーガ」)、デュオあり(中西さんと私でテレマンの「ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ」)、トリオあり(ブクステフーデとJ.P.クリーガーのトリオ・ソナタ)の演奏を行いました。

 作曲家相関には学生時代から興味があり、ついつい、複数の作曲家でプログラムを組む場合(大半の演奏会プログラムはそうですが、私の場合、オールだれだれプログラムの機会が多いので、五分五分といった割合ですので)、それぞれの作曲家の相関関係に目がいってしまいます。又、ついつい、何としてでも取り上げる作曲家同士の接点を見つけてやろう! などと思ってしまいます。どうしてもそこから目を逸らせることが出来ないので、選曲決定権が自分にある場合には、脈絡のない作曲家を同日プログラムに並べるのを避けてしまう方でもあります。
 今回はテーマを「ドイツ」と大枠にしての選曲であり、「作曲家の繋がり」を全く考えずに三人で選曲したのですが、(半ば無理矢理だが)「作曲家繋がり」が通っていたチョイスでした。G.P.テレマンとJ.S.バッハは、交流があって、バッハの次男の名付けの話や、テレマンの出版予約者リストの話は有名な話。ブクステフーデとバッハも、バッハのリューベックへの旅で有名な話。クリーガーとブクステフーデは、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のタイレが間を取り持つ(?)。ブクステフーデが描かれている絵画には、ライケンとタイレも描かれていて、クリーガーはタイレの作品を演奏していた記録が残る。今回演奏した二つのトリオ・ソナタのヴィオラ・ダ・ガンバ パートは、もしやタイレが想像されていたのか?? 無理矢理繋げているに近いですが、素敵な曲を残した作曲家は何処かで繋がっているのだなぁ、と思い乍らコンサート準備に臨んでいました。

 まだまだ暑いですが(暑さの厳しさはこれから?)、皆様、暑さに気をつけてお過ごしください。
 今夏は秋〜来年の準備に力を注ぐスケジュールです。

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2013/07/20 開催 「記憶の彼方からの響き Vol.3」- from Memory of Germany - のプログラムノートとして、"作品作曲家紹介"を主旨として書いたものです。




ヨハン・セバスチャン・バッハ Johann Sebastian Bach (1685アイゼナハ - 1750ライプツィヒ)
ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 BWV1021」
Sonata für Violin und Basso Continuo, G-dur, BWV1021
半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903」
Chromatische Fantasie und Fuge, d-moll, BWV903

 クラシック音楽のジャンルにおいて、その音楽の歴史を語る際、古い音楽としてはJ.S.バッハから話が始まることが多いように思います。しかしながら、バロック・ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェンバロをはじめとする所謂「古楽器」においては、J.S.バッハの音楽は最も新しいものであり、本日取り上げる4人の作曲家の中でも一番最後に生まれた作曲家です。バッハが若かりし頃にドイツでよく知られていた作曲家は、J.J.フローベルガー、J.C.F.フィッシャー、J.K.ケルル、J.パッヘルベル、G.ベーム、D.ブクステフーデらでした。アイゼナハで生を受け、幼少期に両親を亡くして長兄に育てられた彼は音楽の勉強にも熱心で、兄の持つこれらの作曲家たちの楽譜を夜中に写譜していたそうですが、先人の楽譜を通して「ドイツの音楽の伝統」を身につけていたのでしょう。
 彼の作品から「ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調BWV1021」でコンサートを幕開け致します。「バロック時代 = 通奏低音時代」と定義付けされるほど、バロック時代の作品には「通奏低音」、即ち、その言葉通りに低音が通奏されて行き、それを礎に旋律楽器が奏でられる作曲スタイルがほぼ100%です。通奏低音楽器としては、和音を演奏出来るチェンバロやオルガンなどの鍵盤楽器やリュート、そして低音楽器のヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ、ファゴットなどを用いていました。「旋律楽器と通奏低音のためのソナタ」は、現在で言うデュオのスタイルで楽譜が書かれており、「旋律楽器」と「チェンバロかオルガンかリュートなどの和音を演奏出来る通奏低音楽器」のデュオ編成で今日では演奏されることが多いですが、当時はこれに「ヴィオラ・ダ・ガンバかチェロあるいはファゴットなどの低音楽器」を加えた「トリオ」編成で演奏される習慣がありました。ところで、バッハは自作の作品の楽器編成を変え、別の作品に仕上げたものを幾つか残していますが、「ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 BWV1021」は、「フルートとヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調BWV1038」の原作となったものでもあります。
 「半音階的幻想曲とフーガ ニ短調BWV903」は、彼のチェンバロ曲の代表作品の一つですが、18世紀当時から高く評価されていたものである、と伝えられています。20世紀に入るまで演奏家と作曲家が一致していることが殆どで、「演奏される曲」とは当時のコンテンポラリーであり、多くの18世紀以前の作品が取り上げられることは殆どありませんでした。しかし、バッハのこの曲は19世紀にもピアニストたちによってよく演奏されていた人気作品であったようです。


ゲオルク・フィリップ・テレマン Georg Philipp Telemann (1681マクデブルク - 1767ハンブルク)
ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ イ短調 TWV41:a6
Sonata für Viola da Gamba und Basso Continuo, a-moll TWV41:a6 [Essercizii Musici ]
無伴奏ヴァイオリンの為のファンタジア 第5番 イ長調 TWV40:18
Fantasie für Violin ohne Baß Nr.5 A-dur TWV40:18 (1735)

 現在ドイツ・バロックを代表する作曲家として真っ先に挙げられるのはJ.S.バッハだと思います。しかし、18世紀前半に指導的役割を果たし、当時最も有名な作曲家はバッハではなく、G.P.テレマンでした。若い作曲家はテレマンの元に集まり、又、多くの聴衆を喜ばせていたのは彼の音楽であった、と伝えられています。当時の様々な理論家が彼の作品を引用し、又、「ドイツの作曲家で最も革新的な人」としてJ.A.ハッセ、C.H.グラウン、G.F.ヘンデルと共に挙げられたのもテレマンでした。当時J.G.ヴァルターの「音楽事典 Lexicon」でバッハの4倍ものスペースを費やしてテレマンについて書かれたことからも、その名声を伺い知ることが出来ます。彼はマクデブルクで生まれ、ラテン語、修辞学、弁証法を学び、音楽家一族の子供のような特別な教育ではないながらも、音楽の演奏を学び幼少期を過ごします。大学では法律を学び始めた彼でしたが、音楽的才能に溢れた楽譜をルームメートに見つけられ、バッハが後にカントルとなる聖トーマス教会でのカンタータを書くようにライプツィヒ市長頼まれるようになります。そして、それを機にテレマンは音楽家の道を歩んでゆきました。ライプツィヒでバッハが関わった学生たちのコレギウム・ムジクムを創設したのもテレマンでした。テレマンとバッハ、この二人の繋がりは濃かったようで、テレマンはJ.S.バッハの次男 カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの名付け親でもあったことはよく知られています。
 多作家であったテレマンですが、音楽愛好家のための親しみやすい旋律をもつ作品を多く残しており、当時名声を博した一因はこの種の作品によると考えられています。種々の楽器のための曲集である「エセルチージ・ムジチ Essercizii Musici (音楽の練習) 」はその一つです。本日は、この中の「ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ イ短調TWV41:a6」で、貴族の楽器であった典雅なヴィオラ・ダ・ガンバの音色をお楽しみください。又、テレマンは無伴奏の為の作品も多く残しています。18世紀ドイツのヴァイオリン無伴奏曲といえば、バッハの「無伴奏パルティータ」か、テレマン 1735年出版の「12のファンタジア」が挙げられるでしょう。バロック・ヴァイオリンの響きを「無伴奏ヴァイオリンの為のファンタジア 第5番 イ長調 TWV40:18」でご堪能ください。

ディートリヒ・ブクステフーデ Dietrich Buxtehude (ca.1637-1707リューベク)
ヴァイオリンとヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロ(の通奏低音)為のトリオソナタ ニ短調 op.1-6, BuxWV257
 Suonate für Violin, Viola da gamba und Cembalo, d-moll, op.1-6, BuxWV257 (1694?)

 ブクステフーデの名は、J.S.バッハが1705年10月に4週間の休暇を願い出て300km以上離れたリューベクまで徒歩旅行をした逸話で知られているのではないでしょうか。氏が戻ったのは期限を4カ月近くも過ぎてからのことであった為、アルンシュタットの聖職会議で問題になった旅。この旅の目的は、ブクステフーデのオルガン演奏を聴くことであったようです。バッハも憧れたほど、当時、非常に有名で熟練したオルガニストであったブクステフーデは、1637年頃にデンマークのアルデスロー(あるいはヘルシングボリ)で生まれたと推定されています。彼の一族はハンブルク南西にある「ブクステフーデ」という町の出身であったようです。彼は、当時のデンマークのヘルシングボリ(現スウェーデン)やヘルセンゲアのオルガニストを経て、1668年からリューベクの聖マリア教会のオルガニストに選任されます。そして、同地市民となり、ここで1707年に生涯を終えました。彼は、リューベクで「アーベントムジーク」と呼ばれた教会での日曜夕方の演奏会を復活させ行っていましたが、バッハの逸話の「ブクステフーデのオルガン演奏」も、皇帝レオポルト1世の死を悼み、ヨーゼフ一世の即位を記念する為の「特別な」アーベントムジークであったと考えられています。
 オルガンの大家として知られるブクステフーデですが、鍵盤作品を生前には全く出版しておらず、主要出版物は室内楽曲集でした。楽譜自体は残存していませんが、目録には残る1684年の「2つあるいは3つのヴァイオリンとヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ集」、そして1694年(?)と1696年(?)に出版した2つの「7つのトリオ・ソナタ集」があり、いずれのトリオ・ソナタにもヴィオラ・ダ・ガンバを用いているのが大きな特徴と言えるでしょう。本日は1694年に出版されたとされる「7つのトリオ・ソナタ集」からニ短調の第6番を演奏します。彼は声楽作品でもヴィオラ・ダ・ガンバを重用しており、この楽器を大変愛していたのではないか、と考えられています。ヨハネス・フォールハウトが描いた油彩画「家庭音楽のひとこま Häusliche Musikszene 」(1674) には、ブクステフーデと共に、オルガニストのヨハン・アダーム・ラインケン、そして、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者のヨハン・タイレと思われる人物も描かれています。これは彼の交友関係を示すものなのかもしれません。


ヨハン・フィリップ・クリーガー Johann Philipp Krieger (1649 ニュルンベルク- 1725ヴァイセンフェルス)
ヴァイオリンとヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのトリオ・ソナタ ニ短調 op.2-2
 Suonate für Violin, Viola da Gamba und Basso Continuo, d-moll, op.2-2(1693)

 現在、あまり演奏される機会のない作曲家かもしれませんが、J.P.クリーガーはD.ブクステフーデと並び17世紀後半の傑出した作曲家の一人でした。彼は、北ドイツの音楽にブクステフーデと共に多大な影響を及ぼしたJ.J.フローベルガーの弟子であったJ.ドレクセル(ドレッツェル)やG.シュッツから教育を受けた、と伝えられています。その後、コペンハーゲンで学んだ後、生地のニュルンベルクに戻りますが、バイロイトのオルガニストと宮廷楽長を経て、ハレの宮廷オルガニストの職に就きます。ハレのアウグスト公の没後、後継者であるヨハン・アードルフ1世が宮廷をヴァイセンフェルスに移したのちは、公と共にヴァイセンフェルスへ行き、クリーガーはそこで生涯を終えました。彼はヴァイセンフェルス時代に演奏した全声楽作品の目録を作成・保存する、という大きな仕事を行っています。それは1684年から約50年間に渡る「ヴァイセンフェルスで演奏された音楽の記録」でもある訳ですが、そこにはクリーガーの作品が約2000曲、弟ヨハン・クリーガーの作品が225曲、そして、他のドイツ作曲家とイタリア作曲家の作品が475曲記載されています。彼はイタリアでローゼンミュラーやベルナルド・パスクィーニらに学んでいますが、彼らの作品の他、カリッシミやレグレンツィらのイタリアの作品、ベルンハルトやヨハン・タイレのドイツの作品、そして16世紀のパレストリーナやビクトリアの作品が数曲が含まれています。この記録によれば2000曲以上あった彼の教会カンタータの大半は、残念ながら現存していません。クリーガーは宗教曲と共にヴァイセンフェルス宮廷のために世俗音楽を残しましたが、2つのトリオ・ソナタ集を出版しました。1688年出版の「2つのヴァイオリンと通奏低音のための12曲のソナタ」と1693年出版の「ヴァイオリンとヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のための12曲のソナタ」です。今日は1693年のトリオソナタから第2番の「ヴァイオリンとヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのトリオ・ソナタ ニ短調op.2-2」でクリーガーの音楽に接して頂けますと幸いです。
(作曲家解説文 : 中田 聖子)


「記憶の彼方からの響き Vol.3 - from Memory of Germany -」
2013/07/20 伊丹アイフォニックホール小ホール

バロック・ヴァイオリン 河内 知子
ヴィオラ・ダ・ガンバ 中西 歩
チェンバロ 中田 聖子

- Program -

ヨハン・セバスチャン・バッハ Johann Sebastian Bach (1685 - 1750)
「ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 BWV1021」
Sonata für Violin und Basso Continuo, G-dur, BWV1021
1.アダージョ Adagio 2.ヴィヴァーチェVivace 3.ラルゴ Largo 4.プレスト Presto


ヨハン・セバスチャン・バッハ Johann Sebastian Bach (1685 - 1750)
「半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903」
Chromatische Fantasie und Fuge, d-moll, BWV903
1. ファンタジア Fantasia   2. フーガ Fuga


ゲオルク・フィリップ・テレマン Georg Philipp Telemann (1681 - 1767)
「ヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのソナタ イ短調 TWV41:a6」
Sonata für Viola da Gamba und Basso Continuo, a-moll TWV41:a6 [Essercizii Musici]
1.ラルゴ Largo 2.アレグロ Allegro 3.ソアヴェSoave 4.アレグロAllegro


ゲオルク・フィリップ・テレマン Georg Philipp Telemann (1681 - 1767)
「無伴奏ヴァイオリンの為のファンタジア 第5番 イ長調 TWV40:18」
Fantasie für Violin ohne Baß Nr.5 A-dur TWV40:18
1.アレグロ Allegro - プレスト Presto - アレグロ Allegro - プレスト Presro
2.アンダンテ Andante  3.アレグロ Allegro


ディートリヒ・ブクステフーデ Dietrich Buxtehude (ca.1637 - 1707)
「ヴァイオリンとヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロ(の通奏低音)の為のトリオソナタ ニ短調op.1-6, BuxWV257」
Suonate für Violin, Viola da gamba und Cembalo, d-moll, op.1-6, BuxWV257 (1694 ?)
1. グラーヴェ Grave - アレグロ Allegro
2. コン・ディスクレチオーネ Con discrezione - [ ] - アダージョAdagio - [ ] - アダージョAdagio
3. ヴィヴァーチェVivace - アダージョ Adagio
4. ポーコ・プレストPoco Presto - プレストPresto - レント Lento


ヨハン・フィリップ・クリーガー Johann Philipp Krieger (1649 - 1725)
「ヴァイオリンとヴィオラ・ダ・ガンバと通奏低音のためのトリオ・ソナタ ニ短調 op.2-2」
Suonate für Violin, Viola da Gamba und Basso Continuo, d-moll, op.2-2 (1693)
1. アンダンテ Andante - ラルゴ Largo  
2. プレスト Presto - ラルゴ Largo
3.アリア Aria d' Inventione


[☆本記事、暫くTopに置きます。最新記事は次を御覧ください]

梅雨が明けた途端に、厳しい暑さ...。今夏も猛暑の兆しですね。
さて、バロック・ヴァイオリンの河内知子さんとのコンサート「記憶の彼方からの響き」シリーズの第3回公演が間近となりました。今回はヴィオラ・ダ・ガンバの中西歩さんにも加わって頂いて、ドイツの音楽を演奏致します。トリオあり、デュオあり、ソロあり。7/20に伊丹アイフォニックホールにての公演です。お近くの方でお時間ございます方は、是非お越しくださいませ♪


記憶の彼方からの響き Vol.3 -- from Memory of Germany --

日時: 2013年7月20日(土) 開演17:30 (開場17:00)

会場: 伊丹アイフォニックホール 小ホール(Access Map)
  阪急「伊丹」駅より北へ徒歩約3分

  あるいはJR「伊丹」駅より西へ徒歩8分


入場料 : 前売3,000円、当日3,500円 (全席自由)

出演
 河内 知子 (バロック・ヴァイオリン)
 中西 歩 (ヴィオラ・ダ・ガンバ)
 中田 聖子 (チェンバロ)

プログラム
・J.S.バッハ : ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 BWV.1021
・J.S.バッハ : 半音階的幻想曲とフーガ BWV.903
・G.P.テレマン : ヴァイオリンのための無伴奏ファンタジー
・D.ブクステフーデ : ソナタ Op.1-6 ニ短調 BuxWV.257
 他...

お問い合わせ・チケットの御予約は...
(問) : KLAVIくらびチェンバロコンサート係 E-mail : info@klavi.com
    Ticket Counter (お問い合わせフォーム)からも送信出来ます。


 7月6-7日は「ルドゥーテの『バラ図譜』」名古屋展のミュージアム・コンサートでした。ありがたいことに普段から、愛知県から(関西での)コンサートにいらしてくださる方がいらっしゃるのですが、今回初めて名古屋で演奏させて頂きました。名古屋でも沢山の方に聴いて頂きました。
 演奏曲は、J.デュフリ「三美神」、J.B.A.フォルクレ「ラモー」「シルヴァ」「ジュピター」、そして、ソプラノの鷹山美緒さんとグノー「アヴェ・マリア」、ラモー「恋の鶯」。
 7/6と7/7のミュージアム・コンサートにいらしてくださった皆様、ありがとうございました!!
 
 名古屋は遠いようで、大阪の自宅から実は結構さっと行ける距離です。正確には、大阪の自宅最寄り駅が「名古屋にさっと行ける位置」にある(笑)。
 名古屋は...これまでにも何度か夏に訪れたことがありますが「あれ?こんなに暑かったっけ? ? ?」と思うほど、湿度が高い暑さで びっくりしました。確かに湿度が特に全国的に高い日ではありましたが、日本で一番大阪が湿気ている、と思っていたので驚愕。現地楽器には特に問題ありませんでしたが...。それとも、年々温度湿度に職業柄敏感になってきているのであらうか...。
 
 さて、今回の裏話... 上記の湿度とは何ら関係のないことなのですが、重たい工具を持っていったにも関わらず、楽器のジャックレール調整のためのネジが手持ちのどのドライバーにも合わず...(これまで何度もルドゥーテ展の演奏をしているのだから、持っておくべきなのですが、今迄レールネジを動かすシーンに出くわさなかったので、手持ちが使えないことに気付いていませんでした...)針金でも何とかなるのですが、そういうものは百貨店での展覧会といへども、何処にも転がっていない。調整出来なければ出来ないで そのままでも弾くのですが、ベストな演奏をしたいという想いでネジ穴をじーーーっと見乍ら考えた末、愛用のSTYLE∗FITを分解してシャープホルダーで回す...という方法をとりました ^_^; 何が役立つか分からない・・・。
 
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 昨年に引き続き、今年も奈良の音楽祭「ムジークフェストなら2013'」に出演させて頂き、秋篠寺での公演を6/19に行いました。今年はたっぷりJ.S.バッハのチェンバロ作品をお聴き頂こうと「J.S.バッハのチェンバロ音楽」のタイトルで(そのままですが・笑)オールJ.S.バッハ・プログラムを組ませて頂きました。演目は「トッカータニ長調 BWV912」「イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971」「A.マルチェロの協奏曲に基づくチェンバロ独奏の為の協奏曲 ニ短調 BWV974」「半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV.903」「フランス組曲 第3番 ロ短調 BWV814」の5曲。J.S.バッハのチェンバロ作品は大きく3つに分類出来ると思っていて、それが「対位法の作品」「鍵盤独奏協奏曲」「舞曲組曲」の3つなのですが、3つ全てを御紹介出来るようなプログラムとして組んでみました。
 (当日配布したプログラムノートはMusicology Blogに掲載していますので、ご興味持ってくださった方は是非御覧ください)

 早くに梅雨入りしたものの「空梅雨」なんて言われていましたが、丁度、公演前日頃から関西は本格的に降り出しまして(正しくは台風及び熱帯低気圧の影響でしたが)、当日も大雨...。むろん大雨でしたので、必然的に湿度も高い状態とはなりましたが、比較的天候には左右されないような屋内が会場でしたので随分助かりました。大雨ながらも、演奏中も比較的調律も安定していたと思います(←この辺りが天候に左右されるので、いつも天候が心配です。いつか天気図等から自分で予報していけるようになりたい...と思っています。「大きな野望」)
 2枚目の写真はリハの時のものですが、奥に写っていますように、緑が綺麗に映えた秋篠寺のお庭をバックに演奏させて頂きました。大変風情があり本当に素敵な所です。境内で沢山撮影したかったのですが、実は雨の中ウロつくと私は溶けてしまう(?)ので(訳:すぐ風邪をひきます)、撮影は断念...心残りですが、改めて木々と苔の緑の美しい境内を撮りに伺いたいと思っています。
 そんな大雨にも関わらず、沢山の方に御来場頂きました。申し込み受付直後に満席となってしまったと聞いていましたが、朝から結構な降り方をしていたので、さすがに閑古鳥が啼くかもしれない、と思っていたのですが...。
 雨の中、足元の悪い中、お越しくださった皆様、ありがとうございました。
 奈良生まれなので、やはり、奈良の音楽祭で演奏出来るのは、とてもとても嬉しいことです。
 雨の中、スタッフの皆様も入り口の外で動いてくださって、ありがとうございました。そして、ずぶ濡れになりながら、チェンバロを運搬してくださったSさんとKさんにも大感謝です!

 終演後、お客様からあれこれ楽器について御質問を頂き、楽器についてのお話も少しさせて頂きました。説明中の様子が、5枚目の写真です。
 楽器の近くで、撥音部分のジャックやジャックレールを御覧頂きました。チェンバロについて「弦を撥いて音を出す鍵盤楽器です」とお話しますが、「一体何処で弦をはじいているんですか?」と必ずいつも言われてしまいます ^_^; こればかりは撥音部分を近くで見て頂かないことには、私の説明力では到底伝えられない...でも、御覧になれば、皆さん「あぁ!」「なるほどー」とご納得(^^)説明中のこの写真は「皆さん納得中!」の写真でもあります。
 
 そして、もう1点、二段鍵盤の楽器を使用している際に必ず質問されることが、 「広音域が二段の鍵盤に分けて配置されているのですか?」ということ。
「いえ、上と下、同じ音域です」ということを説明しているのが、最後の写真です。「この上鍵盤のミ と 下鍵盤のミ、全く同じ高さのミです」という図。
 
 さて、7月ももうすぐですが、7/6と7/7は名古屋に遠征します。「ルドゥーテのバラ図譜」名古屋展でのミュージアムコンサート。松坂屋名古屋店でのマツザカヤホールにて開催、両日共14:00-14:30と16:00-16:30の2ステージです。東海地区でこれが初の演奏となります。愛知県の皆様、是非お立寄りください!!
 
 そして7/20はバロック・ヴァイオリンの河内知子さんとのコンサートシリーズ「記憶の彼方からの響き」第3回公演。今回はヴィオラ・ダ・ガンバの中西歩さんと三人でブクステフーデやクリーガーのトリオ・ソナタを演奏します。チェンバロ・ソロではJ.S.バッハの「半音階的幻想曲とフーガ」が演目です。伊丹アイフォニックホール小ホールにて17:30開演です(詳しくはこちらを御覧ください)。関西の皆様、お時間ございましたら是非いらしてください!!
 
 これからも皆様どうぞ宜しくお願い致します!!
 
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2011.12.18開催 中田聖子チェンバロリサイタル VOl.9 --Art of J.S.Bach V --
「J.S.バッハのチェンバロ独奏協奏曲とゴルトベルク変奏曲」プログラムノート

 今回で9回目のリサイタルですが、チェンバロ奏者として初めて演奏させて頂いてから今年で10年目に入りました。節目の年であることもあり、チェンバロの道へと私を歩ませた作曲家、ヨハン・セバスチャン・バッハ Johann Sebastian Bach( 1685-1750)の遺した作品のみでプログラムを組ませて頂きました。前半はチェンバロ独奏用協奏曲を3曲。自然災害による悲しいことの多かった2011年ですが、彼の独奏協奏曲のチェンバロ・サウンドで楽しい気分になって頂けますと幸いです。後半は「ゴルトベルク変奏曲」に取り組ませて頂きます。協奏曲とは異なる種の二段鍵盤を駆使した響きと、彼の作曲・演奏技術に想いを馳せて頂けますと嬉しいです。前半が短く、後半が少々長い演奏会となりますが、どうぞお楽しみください。

「J.S.バッハのチェンバロ独奏協奏曲」
 前半の2つの作品名を御覧になられて(或いは曲を聴かれて)「あれれ?」と思われた方がいらっしゃるかもしれしません。オール・J.S.バッハ・プログラムの筈なのに、アントニオ・ヴィヴァルディAntonio Vivaldi (1678-1741)の曲、アレッサンドロ・マルチェロAlessandro Marcello (1684-1750)の曲が混じっています。しかし、今日私が使用している楽譜はJ.S.バッハの手による形と伝えられているものです。
 J.S.バッハの遺した作品の中には、他者の協奏曲を原曲とするものが存在します。今日演奏するBWV978を含めて、A.ヴィヴァルディの協奏曲集「調和の霊感 op.3」を原曲とする鍵盤独奏用協奏曲が5曲(チェンバロ用3曲とオルガン用2曲)、同じくA.ヴィヴァルディのop.4の協奏曲集に基づくチェンバロ用独奏協奏曲が2曲と、op.7に基づくものが2曲(チェンバロ独奏用とオルガン独奏用が1曲ずつ)。そして「4台のチェンバロ協奏曲 BWV1065」もA.ヴィヴァルディの「調和の霊感 op.3-10」が原曲であることはよく知られています。A.ヴィヴァルディの作品に基づくものが最多ですが、他に、今日演奏するA.マルチェロのオーボエ協奏曲に基づくBWV974と、その弟B.マルチェロBenedetto Marcello (1686-1739)とジュゼッペ・トレッリGiuseppe Torelli (1658-1709)による各々ヴァイオリン協奏曲に基づくチェンバロ独奏用協奏曲が1曲ずつ。そして、イタリアの作曲家だけでなく、テレマンの協奏曲に基づくものが1曲とワイマール公子ヨハン・エルンスト Johann Ernst (1696-1715)の手による協奏曲によるものが4曲、そして同一グループの作品とみられるが原曲不明のものが2曲存在します。
 J.S.バッハは生涯を通しドイツ各地の教会や宮廷の職務に就きましたが、1708年から1717年を過ごしたヴァイマールでの仕事の中に、この一連の他者の協奏曲に基づく鍵盤用独奏協奏曲(BWV1065を除く)があったと伝えられています。原曲協奏曲の作者の一人でもある若い公子ヨハン・エルンストは、丁度J.S.バッハがヴァイマール宮廷に使えていた頃にあたる1711年から1713年にかけて、当時のドイツ貴族の習慣に従い教養のための留学でオランダのユトレヒト大学に出掛けます。その際に、当時の音楽中心地の一つであったアムステルダムにも立寄り、オランダに入ってきていた最新の音楽に触れてきたと考えられています。その時期の宮廷の出納帳には大量の楽譜に関わる出費記録があり、恐らくロヘ(Roge : 今日「ロジェ」と読んでいるが現地蘭語では「ロヘ」)から出版されたA.ヴィヴァルディをはじめとする当時のイタリアの作曲家たちの楽譜や筆写譜を持ち帰ったのではないか、と考えられています。又、当時のアムステルダムでは、協奏曲の類いの曲を鍵盤楽器で演奏出来ることがヤン・ヤコプ・デ・グラッフ Jan Jakob de Graff (ca1672-1738)によって実証されていた記録があります。その演奏にエルンスト公子が触れた可能性が高く、彼の師であったヨハン・ゴットフリート・ヴァルターJohann Gottfried Walther (1684-1748)とJ.S.バッハに「協奏曲に基づく鍵盤独奏用協奏曲」つまり鍵盤独奏用への編曲を依頼したのではないか? と考えられています。
 今日演奏するA.ヴィヴァルディとA.マルチェロの作品に基づくBWV.978と974は、大きな改変はないものの、随所にチェンバロ独奏用への工夫が見られ、単なる一人の鍵盤奏者の指で演奏可能にする書き換えではなくチェンバロで原曲の響きが出しやすいような音形、そして、合奏表現を出そうとする為の音形へと書き換えられています。原曲を御存知の方は、そんな細かな違いを探して頂く楽しみもあるかしら...と思います。私自身は、そういった彼の編曲技法から、彼のチェンバロ独奏で可能だった表現を探ることは出来ないかしら...と思いながら、演奏に臨ませて頂こうと思っております。
 前半の最後に演奏する「イタリア協奏曲」と呼ばれている作品(BWV.971)は、この一連の「他者の協奏曲に基づく鍵盤独奏用協奏曲編曲」が作曲動機の一つになったのではないか、と言われています。この曲では、f(フォルテ)とp(ピアノ)の記述し、二段鍵盤チェンバロの持つカプラー機能を用いて上下鍵盤を指定することによって、オーケストラのトゥッティ(全員奏)とソリストの部分の対比を表現していることで有名です。しかし、前者の編曲群のチェンバロ独奏協奏曲には、この指定のあるものはなく、主に工夫された音形によってそれらの対比が描かれています (むろん、イタリア協奏曲で求められる対比表現を用いて演奏することも一つの方法として考えられます)。そういった彼の「イタリア(趣味による)協奏曲」との書かれ方の違いも、お楽しみ頂ければ幸いです。


「ゴルトベルク変奏曲 BWV.988」(クラヴィーア練習曲集 第4部 1741年刊)
 原題は「二段鍵盤チェンバロのためのアリアと種々の変奏」で、初版譜にも1974年にストラスブールで発見されたバッハの私蔵保存本にも「ゴルトベルク」という言葉は見られません。「ゴルトベルク変奏曲」と呼ばれるようになった有名な逸話は御存知の方も多いと思います。それは1802年に出された音楽家ヨハン・ニコラウス・フォルケル Johann Nikolaus Forkel (1749-1818)のJ.S.バッハに関する評伝「バッハの生涯と芸術 Über Johann Sebastian Bachs Leben, Kunst und Kunstwerke -- Für patriotische Verehrer echter musikalischer Kunst --」にある『ザクセン選帝侯宮廷駐在前のロシア大使カイザーリンク伯爵は、しばしばライプツィヒに滞在したことがあり、(才能ある少年ヨハン・ゴットリープ・)ゴルトベルクをバッハの元で音楽を習わせようと連れてきた。伯爵は病気がちで、よく不眠に陥った。伯爵の家に住んでいたゴルトベルクは...(中略)...伯爵の寝付かない間、何かを弾いて聴かせなければならなかった。ある時伯爵はバッハに向かって、自分が眠れない晩に...(中略)... (聴く為の)クラヴィーア曲を幾つか、ゴルトベルクのために作って欲しいものだ、と言った。』(柴田治三郎 訳 / 括弧内は中田聖子補筆) というもので、この少年のためにバッハが書いた変奏曲が「ゴルトベルク変奏曲」であったという逸話です。カイザーリンク伯爵は、J.S.バッハが宮廷作曲家の称号を得る際に力添えした人物でしたが、こういった逸話が真実であれば恐らく出版譜の序文にその記述があると考えられるため、疑問視されています。しかし、この大作は、不眠症で眠れぬ夜の気を紛らわせるには十分に役割を果たす作品のようにも思います(決して子守歌のような類いのものではなく、夜の長い時間を楽しく過ごすには相応しい作品であると私は考えています)。
 バスの「G Fis E D H C D G」のテーマを元に、サラバンドの形でアリアがまず提示され、このバスのテーマに基づく、あらゆる変奏の形での30の変奏曲で構成されています。変奏曲は3つの変奏で1つのグループになっており、1つめが自由な変奏、2つめが「触れる」意の「トッカータ」と解釈されるデュエット、3つめにカノンが登場するパターンで「3曲×10組」で30の変奏曲を構成しています。カノンは「同度のカノン」(第3変奏)から順次上行して「9度のカノン」(第27変奏)が登場します。10組目の3つめ、即ち最後の第30変奏にはカノンではなく「クォドリベット」が置かれています。クォドリベットは、好みの世俗歌(流行歌)の旋律の幾つかを順番にあるいは同時に歌って即興的なハーモニーを作り出すものですが、第30変奏のクォドリベットではドイツの2つの民謡『キャベツとかぶらが私を追っ払った』と『久しくお前に会わぬ、こっちへ来いよ、来いよ』の旋律が登場します。その後、アリアが再び登場して締めくくられます。
 又、第16変奏がフランス風序曲で書かれており、これによって30の変奏が半分の15ずつに二分して配置され、アリアと変奏の全ての楽章が二部形式で書かれていることと共にシンメトリー構造になっていると解釈することも出来ます。
 フランスの作曲家からの伝統を受け継ぐ舞曲の形式、そして北ドイツの伝統の対位法の書法など、J.S.バッハのチェンバロ作品に見られるあらゆる要素が「ゴルトベルク変奏曲」には集約されていることを感じながら、この大作に臨みたく思います。聴き手にも「大曲」であると思いますが、冬の夜を楽しんで頂ける時間になれば幸いです。
 (プログラムノート・曲目解説 : 中田 聖子 )


2011.12.18 (ノワ・アコルデ音楽アートサロン5周年記念エボリューションコンサート)
中田聖子チェンバロリサイタル VOl.9 --Art of J.S.Bach V --
「J.S.バッハのチェンバロ独奏協奏曲とゴルトベルク変奏曲」

J.S.Bach's "Concerto for Harpsichord solo"
and "Goldberg Variations"

・A.ヴィヴァルディの協奏曲RV.310に基づくチェンバロ独奏用協奏曲ヘ長調 BWV.978
 Concerto, F-dur BWV978 nach dem Concerto, G-dur, op.3 Nr.3 (RV310)
 für Violine, Streicher und Basso Conctinuo von Antonio Vivaldi
 第1楽章:アレグロ  第2楽章:ラルゴ  第3楽章:アレグロ
 I. Allegro  II. Largo III. Allegro


・A.マルチェロのオーボエ協奏曲に基づくチェンバロ独奏用協奏曲 ニ短調 BWV.974
 Concerto, d-moll, BWV.974 nach dem Concerto d-moll für Oboe, Streicher und Basso continuo von Alessandro Marcello
 第1楽章:アンダンテ  第2楽章:アダージョ  第3楽章:プレスト
 I. Andante  II. Adagio  III. Presto


・イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV.971
 Concerto, F-dur BWV.971
 第1楽章   第2楽章 : アンダンテ  第3楽章 プレスト
 1st mov. II. Andante III, Presto


・ゴルトベルク変奏曲 BWV.988
 "Goldberg Variationen"
Aria mit verschiedenen Veränderungen vors Clavicimbal mit 2 Manualen. BWV.988

 アリア [テーマ] Aria
 第1変奏(1段鍵盤)"ポロネーズ" Variatio 1, a 1 Clav. "Polonaise"
 第2変奏(1段鍵盤) Variatio 2, a 1 Clav.
 第3変奏(1段鍵盤)「同度のカノン」 Variatio 3, a 1 Clav. Canone all' Unisuono
 第4変奏(1段鍵盤)"パスピエ" Variatio 4, a 1 Clav. "Pasppied"
 第5変奏(1段又は2段鍵盤) Variatio 5, a 1 ovvero 2 Clav.
 第6変奏(1段鍵盤)「2度のカノン」Variatio 6, a 1 Clav. Canone alla Seconda
 第7変奏(1段又は2段鍵盤)ジーグのテンポで Variatio 7, a 1 ovvero 2 Clav. al tempo di Giga
 第8変奏(2段鍵盤) Variatio 8, a 2 Clav.
 第9変奏(1段鍵盤)「3度のカノン」Variatio 9, a 1 Clav. Canone alla Terza
 第10変奏(1段鍵盤)フーゲッタ Variatio 10, a 1 Clav. Fughetta
 第11変奏(2段鍵盤) Variatio 11. a 2 Clav.
 第12変奏「4度のカノン」Variatio 12, Canone alla Quarta
 第13変奏(2段鍵盤) Variatio 13, a 2 Clav.
 第14変奏(2段鍵盤) Variatio 14, a 2 Clav.
 第15変奏(1段鍵盤)「5度のカノン」アンダンテ Variatio 15, a 1 Clav. Canon alla Quinta, Andante

 第16変奏(1段鍵盤) ウーヴェルチュール Variatio 16, a 1 Clav. Ouverture
 第17変奏(2段鍵盤) Variatio 17, a 2 Clav.
 第18変奏(1段鍵盤)「6度のカノン」 Variatio 18, a 1 Clav. Canone alla Sesta
 第19変奏(1段鍵盤) Variatio 19, a 1 Clav.
 第20変奏(2段鍵盤) Variatio 20, a 2 Clav.
 第21変奏「7度のカノン」Variatio 21,Canone alla Settima
 第22変奏(1段鍵盤)アラ・ブレーヴェ Variatio 22, a 1 Clav. Alla breve
 第23変奏(2段鍵盤) Variatio 23, a 2 Clav.
 第24変奏(1段鍵盤)「8度のカノン」 Variatio 24, a 1 Clav. Canone all' Ottava
 第25変奏(2段鍵盤)アダージョ Variatio 25, a 2 Clav. Adagio
 第26変奏(2段鍵盤) Variatio 26, a 2 Clav.
 第27変奏(2段鍵盤)「9度のカノン」 Variatio 27, a 2 Clav. Canone alla Nona
 第28変奏(2段鍵盤) Variatio 28, a 2 Clav.
 第29変奏(1段又は2段鍵盤)Variatio 29, a 1 ovvero 2 Clav.
 第30変奏(1段鍵盤)クォドリベット Variatio 30, a 1 Clav. Quodlibet
 アリア・ダ・カーポ Aria da capo e fine

使用楽器 : 久保田彰氏 製作 フレミッシュ二段鍵盤 チェンバロ
Instrument : Flemish double manual harpsichord, after Ruckers. Akira Kubota
Tune: 1/6 PC ( Pitch : a' =415Hz)
調律: 佐久間 朋子 Tomoko Sakuma

2013.06.19開催 ムジークフェストなら2013' 秋篠寺コンサートのプログラムノートとして書いたものです。

「J.S.バッハのチェンバロ音楽」ーJ.S.バッハの3つの作曲スタイルー 中田 聖子 Seiko NAKATA

 本日はコンサートにお越しくださり、ありがとうございます。バロック時代に活躍した鍵盤楽器チェンバロの作品として特に知られているものはJ.S.バッハの作品だと思います。今回のムジークフェストなら2013' 秋篠寺での演奏にあたり、たっぷりJ.S.バッハの曲をお聴き頂こうと、本日はオールJ.S.バッハ・プログラムを組ませて頂きました。又、バッハの3つの作曲スタイルを御紹介したく選曲しております。3つのスタイル、即ち、1つは北ドイツの先人作曲家達から受け継いだ厳格な対位書法のスタイル、2つ目はイタリアから影響を受けた協奏曲のスタイル、3つめはフランスからの影響を受けた舞曲のスタイルです。

1. トッカータニ長調 BWV912  Toccata D-dur, BWV912 [対位書法のスタイル]
 バッハの曲と言えば、オルガンのトッカータとフーガのジャンルの作品が鍵盤曲ではよく知られていると思いますが、チェンバロ用のトッカータも数曲残っています。その中から今日はニ長調のトッカータBWV912を選曲致しました。面白いことに、このトッカータBWV912のファンファーレのような冒頭は「オルガンのためのプレリュードとフーガ ニ長調BWV532」のプレリュードの冒頭とよく似ています。BWV912のトッカータは、6つの部分から構成されている、と考えることが出来ます。先述の冒頭部分、そしてアレグロのリズミカルな対位書法の部分、3つ目がアダージョのレチタティーヴォ風の部分、そして続く美しいフーガの部分、再びレチタティーヴォ風の部分が登場し、ジーグのダンスのリズムで書かれたフーガの部分で締めくくられます。1曲の中に登場する様々な部分に耳を傾けて頂けますと幸いです。


2. イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971 Italianisches Konzert F-dur, BWV971 [協奏曲のスタイル]
 チェンバロ曲で最も知られている曲は、もしかしたらこの「イタリア協奏曲」かもしれません。正しい原題は「イタリア趣味による協奏曲」。バッハがヴァイマールの宮廷に仕えていた頃に行なった、A.ヴィヴァルディやA.マルチェロらイタリアの作曲家達の器楽協奏曲のオルガンやチェンバロ独奏用への編曲仕事がヒントとなり、この曲が書かれたのではないか、と考えられています。チェンバロ作品の多くにはレジスター(弦の本数を選択する機能)の指定が書かれていませんが、この曲には「f 」と「p 」が書かれており、「f 」では二本以上の弦を使用して演奏、「p 」では1本の弦で演奏することを示していると解釈されています。これによって、協奏曲のトゥッティ(全体合奏)とソロ(独奏)の対比を表現するように作られた作品である、と考えられています。第1楽章と第3楽章では二段鍵盤の上下鍵盤を行き来して演奏します。鍵盤や私の手元が見える位置に座られている方は、是非上下鍵盤の使用にご注目ください!


3. A.マルチェロの協奏曲に基づくチェンバロ独奏の為の協奏曲 ニ短調 BWV974[協奏曲のスタイル]
 Concerto d-moll, BWV974 nach dem Concerto d-moll für Oboe, Streicher und Basso continuo von Alessandro Marcello
 「イタリア協奏曲」の作曲着想となったと考えられている協奏曲編曲群の中から、この曲を選曲しました。ヴァイマールでの協奏曲編曲について少し詳しくお話致しますと、バッハがヴァイマール宮廷に仕えていた時のこと、君主の甥ヨハン・エルンスト公子が留学先のオランダで出版されたA.ヴィヴァルディの「調和の霊感」をはじめとするイタリアの器楽協奏曲の楽譜を持ち帰ってきました。当時はイタリアやフランスが音楽の流行を牽引しており、A.ヴィヴァルディ、A.マルチェロ、B.マルチェロ、G.トレッリらの協奏曲は最先端の音楽でした。エルンスト公子はアムステルダムで、器楽協奏曲をオルガン1台だけで演奏するJ.J.de グラッフ(Jan Jakob de Graff 1672-1738)の演奏を聴いたらしく、鍵盤楽器1台での協奏曲演奏に興味を持ちました。そこで、師のヴァルター(Johann Gottfried Walther 1684-1748)とバッハに、持ち帰った協奏曲の鍵盤独奏用編曲を依頼した、と伝えられています。こうして書かれたのがバッハの17曲の「チェンバロ独奏用協奏曲 BWV972-987, 592a」と6曲の「オルガン独奏用協奏曲 BWV592-297」です。今日演奏する協奏曲BWV974は、アレッサンドロ・マルチェロ(Alessandro Marcello 1684-1750)のオーボエ協奏曲を原曲としています。このような経緯で書かれた協奏曲ですので、通常協奏曲に登場する弦楽合奏を伴わない、チェンバロ独奏用協奏曲として書かれています。


4. 半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV.903 Chromatiche Fantasie und Fuge d-moll, BWV903 [対位書法スタイル]
 この曲もまたバッハの鍵盤曲の代表作として挙げられる曲だと思います。印象的なパッセージで始まる幻想曲と、「A B H C CH C (続)」の半音階進行のテーマで書かれるフーガ。フーガを代表する対位書法の作品では、バッハは北ドイツの先人作曲家の影響を強く受けています。その17世紀の北ドイツの作曲家たちに強い影響を与えていた作曲家にネーデルランドのJ.P.スウェーリンク(Jan Pieterszoon Sweelinck1562-1621)がいました。スウェーリンクもまた「半音階的幻想曲」を残しています。先達の作品をよく研究していたらしいバッハ、彼の作品に何らかの着想があったのかもしれません。
 ところで、20世紀に入る迄、コンサートで演奏される作品の多くはその時代の作曲家の作品でした。19世紀もまたそうで、バッハをはじめとするバロック時代の作品は殆ど演奏される機会がなかったと伝えられています。しかし、バッハのこの「半音階的幻想曲とフーガ」だけは19世紀にも人気が高かった、という話も伝わっています。

5. フランス組曲 第3番 ロ短調 BWV814 Französischen Suite III h-moll, BWV814 [フランス舞曲スタイル]
 バッハは17世紀フランスの舞曲組曲から影響を受けた作品を多数残しています。その代表が「6つのフランス組曲 BWV812-817」と呼ばれる組曲集です。チェンバロは弦を撥いて音を出す撥弦鍵盤楽器ですが、17世紀フランスのチェンバロ作品では、バッハも好んでいた撥弦楽器であるリュートのつまびきの模倣や分散奏法が取り入れられ、より撥弦の特徴を行かしたものが数多く書かれました。バッハの「フランス組曲」にはこうしたニュアンスが取り入れられており、「フランス趣味」で書かれた組曲である、と考えることが出来ます。バッハのチェンバロの為の組曲集には「6つのパルティータ」「イギリス組曲」「フランス組曲」の3曲集がありますが、中でも最も撥弦楽器の特徴を生かしたスタイルの作品がこの「フランス組曲」であると思います。
 組曲は、幾つかの舞曲で構成される作品です。今日演奏する第3番は、アルマンド、クーラント、サラバンド、ガヴォット、メヌエット と トリオ、ジーグの6つの舞曲で構成されています。最後に簡単に第3番に登場する舞曲について記しておきます。

・アルマンド: ドイツ伝統の4拍子の舞曲で、男女のペアが腕を様々な形を組んで踊ったものでした。
・クーラント: イタリア様式のもの(コレンテ)とフランス様式のものがありますが、フランスのものは3拍子系の舞曲で、17世紀迄は貴族に愛された舞曲でした。
・サラバンド: スペイン起源とされる3拍子を基本とする舞曲で、ルイ14世の時代には情熱的なエネルギーを秘めつつも荘重な舞曲として踊られたものでした。
・ガヴォット: 4拍子系の舞曲で、時代を経ると共に他の舞曲が変遷し、テンポや性格さえ変わってしまったものがあったにも関わらず、常に跳躍を含んで踊られた舞曲です。?
・メヌエット: 宮廷舞踊の花形として長きに渡って踊られたバロック宮廷舞踏を代表する舞曲。男女ペアで踊る舞曲で、少なくとも18世紀末まで踊られ続け、後にはワルツへと発展していきました。?
・ジーグ : イギリス起源の跳躍を多く含む舞曲。バロック時代には最も人気があった舞曲だと伝えられています。

( 曲目解説 : 中田 聖子 )

使用楽器 : 久保田彰 2002年製作 リュッカースモデル 二段鍵盤チェンバロ
調律法 : a'=415Hz 1/6PC


「J.S.バッハのチェンバロ音楽」
(オール・J.S.バッハ・プログラム)

ヨハン・セバスチャン・バッハ Johann Sebastian Bach (1685-1750)

トッカータ ニ長調 BWV912 Toccata D-dur, BWV912

イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971
第1楽章 / 第2楽章 アンダンテ / 第3楽章 プレスト
Italianisches Konzert F-dur, BWV971
I. / II. Andante / III. Presto

A. マルチェロの協奏曲に基づくチェンバロ独奏の為の協奏曲 ニ短調 BWV974
第1楽章 アンダンテ / 第2楽章 アダージョ / 第3楽章 プレスト
Concerto d-moll, BWV974
nach dem Concerto d-moll für Oboe, Streicher und Basso continuo von Alessandro Marcello
I. Andante / II. Adagio / III. Presto

半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV.903
Chromatiche Fantasie und Fuge d-moll, BWV903

フランス組曲 第3番 ロ短調 BWV814
アルマンド / クーラント / サラバンド / ガヴォット / メヌエット - トリオ / ジーグ
Französischen Suite 3 h-moll, BWV814
Allemande / Courante / Sarabande / Gavotte / Menuet - Trio / Gigue

チェンバロ 中田 聖子 Seiko Nakata

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