ことば

 知人のO氏(マンドリン奏者)がWeblogを始められた。その方のイメージは「ひこにゃん」のような所謂「ゆるキャラ」さんなのだけれども、ブログ記事もゆるーい。物凄く真面目な話を書いておられるのだけれども、記事の印象が ほんわか ゆるーい。
 うーむ... O氏の記事に比べると、私の記事は殺伐としているではないか...
 Weblogの文章には人柄が出ると思っているのだけれども、O氏もほんわかした人柄故なのだろうなぁと思う。
 そして、思い出す... 今や私のOfficial web siteとなった"Klavi"というwebsiteは、最初はチェンバロ奏者のwebsiteでもなく、単なる音楽大学に通う1学生が綴っているスペースであった。当時からピンクの壁紙だったけれども(笑) 嬉しいことに音楽愛好家さんが御覧くださってBBS(なつかしい!)にコメントも残していってくださっていたが、その多くの方が 綴り手(=私)が女性だと知った時に驚愕されたのでした...。今でもよく覚えている驚愕コメントは「なんと! Klaviの管理人さんは女性であったと!!!」(私の方もその言葉に驚愕した...) それも殺伐とした文章故のことであったのだろうか...。

 殺伐感を失くさないといけないなぁ... と思いつつも、久々に小川さんにまつわる話(?)
 とある生徒さんがこういったことを言っていました。
「読んだんですけどね
 『バッハ先生、どうすればバッハ先生みたいに弾けるんですか?』
 『正しい時間に正しい鍵盤を押すだけだよ』
 でもそれが難しくって... ^_^; 」
(私もこのバッハ先生の言葉を読んだのかもしれないけれども、記憶には残っていない。)
 このバッハ先生の言葉は、本当に正しい。
 生徒さんは今回は間違えてばかりの言い訳(?)として言ったのだけれども、バッハ先生の言葉は ただただ♪を間違わずに弾けるかどうか、という意味ではなく、素晴らしい音楽を奏でるために必要なことなのである。正しいタイミングポイントで (=正しい時間に)、正しい音色と音の立ち上がりと響き etc... の出る「正しいKeyを押す」ということをすること...
チェンバロにしろオルガンにしろクラヴィコードにしろピアノにしろ、演奏を追究するにあたって試行錯誤することは、つまり『正しい時間に正しい鍵盤を押すだけ』のこと。本当に「簡単なこと」なのだけれども、この「簡単なこと」に奏者は一生を費やす。但し、その為には 『正しい時間に正しい鍵盤を押すだけ』のことを見極める聴極める「正しい耳」も必要である。