秋色

 数日前まで少しでも動こうものなら汗だく...という大阪だったが、湿度もそう高くなく秋の訪れの気配を感じる。もっとも天気予報を見ると「27日くらいまでが過ごしやすい気候」と書かれていて、"期間限定の秋らしさ"かしら...と、内心、夏日の再来を覚悟しているが、たすかん君(チェンバロ)は確実に秋口の音色を発している。この時期の音色は好き...高湿度でなくなり、楽器から湿気が抜けてきたこの時期ならではの音の色・音の味だけでなく、この時期の空気に響く音が凄く好き。この時期の温度・湿度を保てば、この音の響きがするというのではないから不思議だ。むしろ、温度湿度を人為的に調整して環境を整えた空間では、この独特の味は出ないように思う。もしかしたら、この時期の状態というのは、チェンバロが活躍していた頃のEUの空気に近いのかもしれない。
  しかし、大阪の夏はとにかく蒸し暑く、ここ数年は夏が長すぎないか?と思うようなことが多く、本当に短い間の気候...。この空気の中で楽器とふれあっていると、またチェンバロに惹かれて行くのである。毎年のことながら、一日でもこの気候が長いことを望んでいる。