リサイタル「音楽のパルナッソス」ありがとうございました

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 1月17日に第13回となるリサイタル「音楽のパルナッソス」を無事に開催することが出来ました。寒い中をお越しくださった皆さま、ありがとうございました。そして公演にあたりお世話になった皆さま、開催を見守っていてくださった皆さま、ありがとうございました。
 いつもは公演が何回目にあたるのか、リサイタルは勿論、様々な企画コンサートシリーズでもあまり意識しておらず、キリの良い公演序数だね、と言われて初めて気づく私なのですが、今回は直前に、嗚呼リサイタル13回目になるのか、とふと意識するようなことがありました。

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 事情があって、楽器部屋の楽譜を全て移動させなければならない、という事態が直前にありました。その際に「眠っている楽譜」が本棚に結構多いのかと思うっていたのですが、実はごく僅かしかなく、常に稼働している楽譜が殆どだと初めて把握いたしました。自分のイメージでは永眠楽譜となったものが半数で場所を取っていて、これを機に譲るか廃棄しようかとまで考えていたのですが、実際には稼働、及び準稼働中のものが本棚を占拠しておりました。(そして本棚から溢れている稼働中楽譜も多数...。)この事実は非常に意外なことだったのですが、楽譜量を把握することで15年以上チェンバロ奏者をしていて、リサイタルも13回目になっていたことに気づいたのであります。まだまだ、だと思っているのですが、時は結構過ぎていた...でも人生先の方が長いので、まだまだなのは事実です。

 そして、他公演では自分で行うことも多々あるのですが、リサイタルでは13回目にして自分で調律を行うこととなりました(自分の意思でそうした訳ではないのですが ^_^; )

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 ところが、こういう時に限って何かが起こる...のが世の常なのかどうか知りませんが、昼公演の本番前調律をしようと思ったら、バーン! 弦が切れてしまいました...。

弦は消耗品ですから、いつかは断絃します。
しかしながら、正直なところ遭遇したくない事態です(苦笑)
そして、チェンバロ製作家でもチェンバロ調整師でもないので、弾く楽器が断絃しない以上、弦を張る機会はないので、正直、全くもって慣れておりません ^_^;

うわー、開場時間に間に合うだろうか...

少ない弦張り経験からは、所要時間は最短で20分くらい、最長で40分...失敗して二度張りで60分...という経験データが頭に入っております。

最長で40分...40分、うーん、張って調律には20分....20分か、よしギリギリ間に合う!
危ういけれど、私の最短調律所要時間は20分以内だ!

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 幸い、記録係をお願いしていた生徒のNさんが到着したところだったので、Nさんにお手伝いして貰いながら、無事に張り替えいたしました。一人では40分コースになった恐れがありましたが、お手伝いして貰えたので手早く済ますことが出来、助かりました。
 弦を張ってすぐはピッチが下がっていくのですが、なんと本番中は奇跡的にピッチはベストで安定! これにはびっくりしましたが、さすが安定の久保田さん製作のフレミッシュです。おかげで無事公演を行うことが出来ました。

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 昼公演は席数が多い予定でしたので、再断絃を想定すると弦飛びの回避スペースがないと思い、念のため、少し開場を遅らせて準備させて頂きました。早めにいらしていただいていたのに、お待ちくださった皆様、大変失礼をいたしました。

 昼公演終了後、見守りに来てくれていたリコーダー奏者に「直前に断絃してまいったー」^_^; なんて歓談し、ホッとしたのも束の間...なんと夜公演の本番前調律中にも断絃してしまったのでした !!
先ほど切れた弦の隣りの弦が断絃。ギョッとしましたが、
これは気候条件上物理的には確率はゼロではなく可能性としては高い
...と思うと、更なる断絃が心配になる反面、一度切れているので何だか大したことでも無い気がしてくるのが面白い。
既に開場後だったのと、夜公演では張り替え中の再断絃でも弦飛びの回避スペースがある状態でしたので、そのまま張り替え作業を致しました。
(すぐ上の3枚の写真は弦張り中の写真です)
ちなみに夜公演でも奇跡的に演奏には支障ないところでピッチが持っておりました。ありがたいことです。さすが安定度の高い久保田さんのチェンバロだと改めて感じました。
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 さて、今回のリサイタルではJ.K.F.フィッシャーの組曲集から取らせていただいたタイトル通り、彼の「音楽のパルナッソス」からの選曲を中心にドイツのチェンバロ作品を演奏いたしました。ドイツ作品をテーマにソロステージを行うのは本当に久々です。フィッシャーの他、J.J.フローベルガー、M.ヴェックマンの作品を演奏しました。

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この三人の作曲家は、チェンバロを弾いている中で出会い魅力を感じていったのではなく、チェンバロを学び始めた頃にこのような作品があるのならチェンバロを弾きたい、と思わせた作曲家たちです(他にもそう思わせた作曲家はいますが)。最初の動機はJ.S.バッハの音楽をチェンバロで弾きたくてチェンバロの道に入ったのですが、彼らを含めた何人かの作曲家の作品に魅力を感じたこともこの道を選ぶ大きな要因となりました。


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 頂いたアンケートを拝読したところ、彼らの音楽を楽しんでいただけたようでホッとしております。
 これからも様々な作品とテーマのプログラムを演奏していきますので、皆様、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
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 さて、次のステージは、3/8(火)の宝塚ベガホールのチェンバロコンサートです。ソロのステージで撥弦をテーマにアレッサンドロ、ドメニコ両スカルラッティ、J.S.バッハのBWV.998の作品、同氏のフランス組曲4番などを演奏します。平日14:00からの公演ですが、お時間ございましたらどうぞいらしてください。
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 そして4月には、ヴィオラ・ダ・ガンバの品川聖さんとフォルクレ全曲演奏会を行います。ガンバとコンティヌオ版、チェンバロ版、それぞれをどちらかの版で演奏することに加えて、工夫版(?)でも演奏します。どのピースをどの版で聴けるかは当日のお楽しみ♪ 詳細は近々up致しますが、4/23(土)に東京 池袋 ORIGO et PRACTICA Space 1Fで、4/29(金祝)に大阪 アンリュウリコーダーギャラリー タケヤマホールにて行います。
 このコンサートはもう既にリハに入っております。是非とも皆様に聴いていただきたいです。皆様のお越しをお待ちしております!!
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