萬年筆のインク

 ある方よりお手紙を頂きました。美しいブルーのインクで綴られたお手紙。おそらく萬年筆で書かれたのだろうなぁ...。
 萬年筆で書かれたと思われるお手紙を頂くことが多いです。私が特別多いという訳ではなく、きっと自分が萬年筆書きが好きだから気に留めるから「多い」と感じるのかもしれません。あるいは、萬年筆を使う人には文字を書くことが好きな人が多くて、印刷したものではなく手書きのお手紙をしたためる方が多いのかもしれません。私もまたそうです。むろん、「萬年筆が好き」な方の中には、実際に使うのではなく「萬年筆コレクター」の方も沢山おられると思うのですが...。
 私は萬年筆が好きだけれども、そのものにはあまり拘りはなく(書きやすいものが好きなので一番の我が儘かもしれませんが)、興味の対象はインク。以前、何処かでこの話に触れたような気もするのですが、何年か前に綺麗な色のインクが豊富にあるのだと知り、
小学生の頃に父に買ってもらって愛用している萬年筆をカートリッジ式から吸引式に変えました。只今気に入って使用しているのはHERBINのティーブラウン色のインクです。お世話になっている調律師さんに以前ご挨拶状を出したら「『何十年前』から届いたかのようなお便り」と評されました。このインクを使用する意図を分かっておられるコメントです。
 1年間に何百通もの案内状を書くのですが...多い年は通算千を超える...(宛名、短文ながら挨拶文は手書き)、紙質が合わない場合(にじみ・はじきを生じる場合)を除いて、このインクを入れた萬年筆で書くのですが、一昨年くらいから使い始めてまだインクは十分残っている(笑) 30mlの瓶って結構長持ちするのだなぁ...と思う今日この頃。そうそう、使用するのは案内状だけでなく、楽譜を書くのにも最近よく使用しています。
 道具から入るタイプではないと思っていますが、お気に入りの道具で作業すると捗り具合が良いのが不思議です。