チェンバリスト中田聖子のオフィシャルブログ

2016年1月アーカイブ

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 1月17日に第13回となるリサイタル「音楽のパルナッソス」を無事に開催することが出来ました。寒い中をお越しくださった皆さま、ありがとうございました。そして公演にあたりお世話になった皆さま、開催を見守っていてくださった皆さま、ありがとうございました。
 いつもは公演が何回目にあたるのか、リサイタルは勿論、様々な企画コンサートシリーズでもあまり意識しておらず、キリの良い公演序数だね、と言われて初めて気づく私なのですが、今回は直前に、嗚呼リサイタル13回目になるのか、とふと意識するようなことがありました。

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 事情があって、楽器部屋の楽譜を全て移動させなければならない、という事態が直前にありました。その際に「眠っている楽譜」が本棚に結構多いのかと思うっていたのですが、実はごく僅かしかなく、常に稼働している楽譜が殆どだと初めて把握いたしました。自分のイメージでは永眠楽譜となったものが半数で場所を取っていて、これを機に譲るか廃棄しようかとまで考えていたのですが、実際には稼働、及び準稼働中のものが本棚を占拠しておりました。(そして本棚から溢れている稼働中楽譜も多数...。)この事実は非常に意外なことだったのですが、楽譜量を把握することで15年以上チェンバロ奏者をしていて、リサイタルも13回目になっていたことに気づいたのであります。まだまだ、だと思っているのですが、時は結構過ぎていた...でも人生先の方が長いので、まだまだなのは事実です。

 そして、他公演では自分で行うことも多々あるのですが、リサイタルでは13回目にして自分で調律を行うこととなりました(自分の意思でそうした訳ではないのですが ^_^; )

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 ところが、こういう時に限って何かが起こる...のが世の常なのかどうか知りませんが、昼公演の本番前調律をしようと思ったら、バーン! 弦が切れてしまいました...。

弦は消耗品ですから、いつかは断絃します。
しかしながら、正直なところ遭遇したくない事態です(苦笑)
そして、チェンバロ製作家でもチェンバロ調整師でもないので、弾く楽器が断絃しない以上、弦を張る機会はないので、正直、全くもって慣れておりません ^_^;

うわー、開場時間に間に合うだろうか...

少ない弦張り経験からは、所要時間は最短で20分くらい、最長で40分...失敗して二度張りで60分...という経験データが頭に入っております。

最長で40分...40分、うーん、張って調律には20分....20分か、よしギリギリ間に合う!
危ういけれど、私の最短調律所要時間は20分以内だ!

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 幸い、記録係をお願いしていた生徒のNさんが到着したところだったので、Nさんにお手伝いして貰いながら、無事に張り替えいたしました。一人では40分コースになった恐れがありましたが、お手伝いして貰えたので手早く済ますことが出来、助かりました。
 弦を張ってすぐはピッチが下がっていくのですが、なんと本番中は奇跡的にピッチはベストで安定! これにはびっくりしましたが、さすが安定の久保田さん製作のフレミッシュです。おかげで無事公演を行うことが出来ました。

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 昼公演は席数が多い予定でしたので、再断絃を想定すると弦飛びの回避スペースがないと思い、念のため、少し開場を遅らせて準備させて頂きました。早めにいらしていただいていたのに、お待ちくださった皆様、大変失礼をいたしました。

 昼公演終了後、見守りに来てくれていたリコーダー奏者に「直前に断絃してまいったー」^_^; なんて歓談し、ホッとしたのも束の間...なんと夜公演の本番前調律中にも断絃してしまったのでした !!
先ほど切れた弦の隣りの弦が断絃。ギョッとしましたが、
これは気候条件上物理的には確率はゼロではなく可能性としては高い
...と思うと、更なる断絃が心配になる反面、一度切れているので何だか大したことでも無い気がしてくるのが面白い。
既に開場後だったのと、夜公演では張り替え中の再断絃でも弦飛びの回避スペースがある状態でしたので、そのまま張り替え作業を致しました。
(すぐ上の3枚の写真は弦張り中の写真です)
ちなみに夜公演でも奇跡的に演奏には支障ないところでピッチが持っておりました。ありがたいことです。さすが安定度の高い久保田さんのチェンバロだと改めて感じました。
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 さて、今回のリサイタルではJ.K.F.フィッシャーの組曲集から取らせていただいたタイトル通り、彼の「音楽のパルナッソス」からの選曲を中心にドイツのチェンバロ作品を演奏いたしました。ドイツ作品をテーマにソロステージを行うのは本当に久々です。フィッシャーの他、J.J.フローベルガー、M.ヴェックマンの作品を演奏しました。

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この三人の作曲家は、チェンバロを弾いている中で出会い魅力を感じていったのではなく、チェンバロを学び始めた頃にこのような作品があるのならチェンバロを弾きたい、と思わせた作曲家たちです(他にもそう思わせた作曲家はいますが)。最初の動機はJ.S.バッハの音楽をチェンバロで弾きたくてチェンバロの道に入ったのですが、彼らを含めた何人かの作曲家の作品に魅力を感じたこともこの道を選ぶ大きな要因となりました。


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 頂いたアンケートを拝読したところ、彼らの音楽を楽しんでいただけたようでホッとしております。
 これからも様々な作品とテーマのプログラムを演奏していきますので、皆様、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
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 さて、次のステージは、3/8(火)の宝塚ベガホールのチェンバロコンサートです。ソロのステージで撥弦をテーマにアレッサンドロ、ドメニコ両スカルラッティ、J.S.バッハのBWV.998の作品、同氏のフランス組曲4番などを演奏します。平日14:00からの公演ですが、お時間ございましたらどうぞいらしてください。
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 そして4月には、ヴィオラ・ダ・ガンバの品川聖さんとフォルクレ全曲演奏会を行います。ガンバとコンティヌオ版、チェンバロ版、それぞれをどちらかの版で演奏することに加えて、工夫版(?)でも演奏します。どのピースをどの版で聴けるかは当日のお楽しみ♪ 詳細は近々up致しますが、4/23(土)に東京 池袋 ORIGO et PRACTICA Space 1Fで、4/29(金祝)に大阪 アンリュウリコーダーギャラリー タケヤマホールにて行います。
 このコンサートはもう既にリハに入っております。是非とも皆様に聴いていただきたいです。皆様のお越しをお待ちしております!!
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Happy New Year!すっかり年が明けてしまいましたが、今年も皆様どうぞ宜しくお願い致します。
 長年の例年通り、年始のご挨拶状は年が明けてから認めておりました。早くにくださる方には申し訳ないと思いつつ(失礼にあたるとも思いつつ)、新年を迎えないと「明けましておめでとうございます」を言えない私でございます。

 さて、今年のコンサートはまずリサイタルから始まります。1/17(日)15:00からと18:00からの二回公演(同一プログラム)でアンリュウリコーダーギャラリータケヤマホールにて行います。久方ぶりにドイツ語圏で活躍した作曲家のみでプログラムを組みました。J.K.F.フィッシャーの組曲集「音楽のパルナッソス」からの選曲を中心に、M.ヴェックマン、J.J.フローベルガーの組曲をお届けします(後者二人はトッカータも♪)。お時間ございましたら是非お越しください。

(公演告知の後に、昨年の公演報告を綴っていますので、是非最後までご覧ください)


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中田聖子チェンバロリサイタルVol.13
「音楽のパルナッソス Musicalischer Parnassus」

--J.S.バッハの先人たちの遺産、ドイツチェンバロ音楽史跡--

2016年 1月 17日(日)
 2回公演(両公演同一プログラム)
1st Stage お昼の部の公演
: 開演15:00 (開場14:30 / 終演予定16:15)
2nd Stage 夜の部の公演
: 開演18:00 (開場17:30 / 終演予定19:15)

会場: アンリュウリコーダーギャラリー タケヤマホール(大阪市住之江区安立3-8-12)
最寄り駅:南海本線「住ノ江」駅もしくは阪堺電車「我孫子道」駅)
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入場料: 各公演 前売3,000円、当日3,500円 (全席自由) ☆未就学児の入場はご遠慮ください。

出演: チェンバロ 中田 聖子

プログラム
ヨハン・カスパル・フェルディナンド・フィッシャー: 組曲集「音楽のパルナッソス」より『キュリオ』『カリオペ』『エウテルペ』『ウラニエ』

ヨハン・ヤーコブ・フローベルガー: トッカータ III in C、組曲 XII in C (1656)

マティアス・ヴェックマン:トッカータ in d、パルティータ in d

Johann Kaspar Ferdinand Fischer (ca.1656-1746)
- Suite "Culio" ("Musikalischer Parnassus")
- Suite "Calliope" ("Musikalischer Parnassus")
- Suite "Euterpe" ("Musikalischer Parnassus")
- Suite "Urania" ("Musikalischer Parnassus")

 Johann Jacob Froherer (1616-1667)
- Toccata III in C
- Suite XII in C (1656)

Matthias Weckmann (ca.1616-1674)
- Toccata in d
- Partita in d
 
お問い合わせ・チケットのご予約はこちらからどうぞ→http://www.klavi.com/t-count.html


 昨年の末が本当に忙しくて、公演告知も数日前にup...なんていう状態で... いえ、現状上記リサイタル告知も2週間を切っての掲載ですが、公演報告を全く書けずじまいでした。11月の石川公演から書けずにいましたので、撮っていただいたお写真と共に認めていきたいと思います。

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 2014年に引き続き2015年も石川県白山に工房を構えておられる金澤古楽堂さんのチェンバロコンサートとして10/25に演奏させていただきました。ご来場くださいました皆様、ありがとうございました。
 金沢市内からも白山山中までは車で約一時間...多くのお客様が遠方より遥々いらしてくださったようで本当にありがたいです。関西から遠征くださった方もいらっしゃいました。皆様、本当にありがとうございます!!

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 前日は素敵な工房でリハをさせていただきました。チェンバロのある日本の伝統様式空間...素敵です。冷えてきた頃だったので、ストーヴに火も入り暖かな風情の中、コンサートで弾く楽器と対峙させていただきました。

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 今回はフレンチスタイルのブランシェモデルと、イタリアン・スピネットをご用意くださり、前者でクープラン一族の作品を中心にフランス作品をたっぷりとお届けすると共に、J.S.バッハの独奏協奏曲を、後者でフレスコバルディやベルナルド・パスクィーニの作品を演奏させていただきました。

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 日頃はなかなか出来ない2台の楽器を使わせて頂いて、弾き分けて演奏出来ることは、本当にありがたい機会です。豊かな自然に囲まれての演奏会も本当にありがたい...
 ご来場くださいました皆様、スタッフの皆様、ありがとうございました。

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 いつもは遠征してもトンボ帰りだけれども、珍しく金沢に出て兼六園を見てきました。どうしても一度行ってみたかったのです。
 庭園内の成巽閣で加賀藩の女性たちの展覧会をしていたので、しっかりそれも見てきました。
でも...館内の色付きギヤマンだとか、明治になってから付けられたシャンデリアなどに見入ってしまいました...。庭園を見るのも好きなのだけれども、やはりレトロ建築装飾好きなのでございます。
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 でも庭園、素晴らしい。

 記念撮影も2枚掲載します(笑)

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 そして、11月はよく共演しているリコーダーの井上佳代さんと門下会を行いました。即ち、井上さんの生徒さんたちと私の生徒たちとの発表会。演奏活動しながらの指導で、レッスンの日程調整も皆さんにあまり融通が利かない毎日ですが、無事に終えることが出来ました。皆様、お疲れ様でした。

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 12月はまずイタリアから来日のリコーダーのジョルジオ・マッテオーリさんのアンサンブル フェスタ・ルスティカに加わらせていただいて、グランフロント大阪のナレッジシアターで演奏いたしました。
 左写真はリハ時のものですが、まるでイタリア後ペラペラな状況下の演奏のようですが、楽語を除けば、挨拶とPerché? Dov'è?と古典歌曲に頻出するような言葉しか知りません。

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 イタリア語を勉強しないと...と思いつつも、あっという間にリハの日が近付き、急遽、日本語ペラペラのイタリア人音楽学者にリハで使いそうな言い回しを教えてもらい、ほとんど一夜漬けで数字を覚えて臨みました。親切に英語で皆さん話してくれたので、相変わらずの3歳児英語でリハを行いましたが、本番までずっといつもと違う脳の部分がフル回転状態でした。如何に普段脳の一部分しか使っていないかを痛感する良い機会となりました(何か違うって)
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 このコンサート、イタリア文化会館の音楽イベントだったのですが、ここはイタリア大使館の管轄...コンサート当日も95パーセントのスタッフさんがイタリアの方...。日本人スタッフは、ホールのスタッフさんと楽器のお世話をくださったUさんを除いて1名のみ...。最近「ここは日本? 私は何処にいるの?」というシチュエーションが増えてきているけれども(笑) 色々な意味でイタリア式の公演でした。
 プログラムは初期バロックからサンマルティーニに至るイタリア音楽に加えてバッハもモーツァルトも...という多岐に渡るものでした。
 これが12/6の公演でした。お越しくださいました皆様、ありがとうございました。
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 そして、12/8は宝塚ベガホールのチェンバロコンサートでした。バロック・ヴァイオリンの河内知子さんとイタリア作品をお届けするステージ。A.コレッリ、ヘンデルのヴァイオリン・ソナタとB.パスクィーニの「トッカータ カッコウのカプリッチョ」をチェンバロソロで演奏いたしました。

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 12月は会場がクリスマス仕様になっていました。

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 和みます。
 しかし、クリスマス仕様だけでなく、なんだかいつもと様子が違うなぁと思えば、たからんがいない。聞けば、いつも居るわけではないそうで、残念...。でも、楽屋の名前のところにはイラストの たからん がいました。いつの間にか たからんファンになっている私でございます。
 この日あたりから冬らしい冷たい空気になってきていましたが(石川の寒くなってきたところといい、雪女力発揮か?!)、良いお天気に恵まれまして、抜群の楽器の安定具合でした。
 ご来場くださいました皆様、ありがとうございました。ベガのチェンバロコンサート、次回は3/8開催で、チェンバロソロのステージです。近々、予定プログラムは私のこのオフィシャルサイトの公演情報ページにupいたします。今後とも皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

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 今回のブログ記事、非常に長いものとなってしまいましたが、最後までご覧くださり、ありがとうございました。やはり公演報告は溜めてはいけませんね f^_^; またブログ更新リマインダーを動作させなければ。今年はあまり溜めないように更新していきます(溜めると時間かかるから、ますます出来なくなる...)。

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